diary

“Quem deseja ver o arco-íris, precisa aprender a gostar da chuva.” @pyi46

鳥、貴族を見て。

 

僕たちが生まれるはるかはるか昔。

まだノアの箱舟もキリストも存在しないはるか昔。

世界には僕たちの祖先以外にも数種類の人類が存在していたそうです。

僕たちと同じくらいの体格で、僕たちと同じように二足歩行で歩き、僕たちと同じように道具を使い狩猟をし生活をしていたそうです。

だけど長い歴史の中で僕たち人類の祖先は他の人類を駆逐していき、生き残った自分たちのことをホモ・サピエンス(賢きもの)と呼ぶようになりました。

何故同じような体格、歩行、狩猟が出来たのに、ホモサピエンスだけが生き残れたのか。ホモ・サピエンス(ヒト)は他の人類と大きな違いがあったそうです。

それは「想像を共有する」こと。ヒトだけが、物語を作り、その作られた物語を共有することが出来たそうです。

それは例えば「もし敵がきたらどうするのか」の状況を想像し共有したり、例えば神や精霊など見たことがないものを作り出して共有することが出来る。

その力によってヒトだけがコミュニティーを拡大することが出来て、小さなコミュニティーで活動することしか出来なかった他の人類を絶滅に追いやっていった。

そして唯一生き残った我々人類を自ら「賢きもの」と名前付けた。

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思うんですよね。どうして僕たちホモサピエンスの祖先は、他の種類の人類と共存する未来を描けなかったのかなって。

僕たち人類は自らを「賢きもの」と名付けるくらいの傲慢な生物です。

自分たちと異なる種族は受け入れられない。地球上にいた全ての人類を駆逐しホモサピエンスだけが生き残った後も、黒人、ユダヤ人、人種差別、迫害。これは決して過去の話ではありません。見た目の違いを笑い、差別、攻撃する。その血は科学が発達した今でも脈々と流れ続けてると思います。

もしホモサピエンスが異種を受け入れられる種族だったら、今はきっと全く違う世界になってたかもしれないなと思います。

そこにはもしかしたら眉間から角が生えた鶏人や、手から棘が生えた棘人のような人種も存在したかもしれない。

だけどホモサピエンスの傲慢さから、その世界にも確執、迫害、争いもあったかもしれません。世界は必ずしも優れてるものが生き残るとは限らない。もし他の種族の方が美しい絵を描くことが出来て、芸術的な作品を生み出すことが出来る能力が優れていたとしても、争いに強きものが勝ち残る。そして、勝ち残ったものが正義となる。

 

その法則が世界を作ってきた。

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冒頭の言葉

 

今 異を唱える者は

治世の犯罪者に他ならない

 

今 沈黙してる者は

不正の共犯者に他ならない

 

反論する者は治安を乱す犯罪者で、

黙ってる者は犯罪を傍観してる共犯者だと言ってます。

つまり、「はい」と言う人間以外は全員犯罪者だと。

そして最後に「そんな世界の物語」でしめる。そんな世界と言いながら、実はこの世界のことを言ってる。とても皮肉が効いてるメッセージだなぁと感じました。

 

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ミトラ(齋藤飛鳥)は、鵜人迫害社会の中でムギと出会います。鵜人は疎外されて当たり前の世界で育ってきた価値観から最初はムギを遠ざけ、ひどい言葉を浴びせます。

だけどムギの才能を知り、認め、受け入れることで、正しさを考えます。私たち人間の鵜人への扱いは間違いなんじゃないのか。本当に疎外されるべきなのは、人間なんじゃないのかと。

 

実際に言ってるわけではないですが、僕は飛鳥ちゃんの演技からそう感じました。

 

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冒頭、ホモサピエンスが生き残った理由を「想像を共有することが出来た」からと書きました。僕たち人間だけが唯一、物語を作り、その物語を共有する力があった。

それは言い方を変えれば僕たち人間だけが「嘘をつくことが出来た」ということ。

嘘をつけたから、他の「嘘をつけない種族」を全て滅ぼし、ここまで生き残り、地球上最強の種族となれた。

僕たちが今こうして生きていられる理由が「嘘をつくことが出来た」からってのは何か皮肉だなぁと思います。

 

 

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もし世界がミトラのような子で溢れていたら、人間は鵜人と共存出来たのかなと思います。そして、共存した方がお互いにとって素晴らしい未来が待っていたのかなと。

だけど、それが出来ないから今の世界があるんだなとも思いました。

沢山の業の上に僕たちは立っている。それを考えさせてくれた、凄く深くて面白いドラマだと思いました。

 

何も考えずにババっと書いた乱暴な文章ですが、読んで下さってありがとうございました。