ジコチューで行こう
お久しぶりです。
5月17.18の二日間にわたり、飛鳥ちゃんの卒コンがありましたね。
僕は二日とも配信で見届けたんですが、二日間の卒コンを見て思ったことを書きたいなと思います。
最近色々なことが起きていて書こうかどうか悩んだんですが、やっぱり飛鳥ちゃんのことは今まで沢山文字にしてきたし、最後もちゃんと文字として残したいなと思ってブログを書いてます。
最初に断っておきますが、これはライブを見ての感想というよりも、セトリを見ての感想になります。飛鳥ちゃんがセトリに込めた思い、もしそれがあるならを個人的に勝手に想像しただけの内容になります。
そして、ライブについては殆ど触れてないですw
ですので感想というよりも考察に近いです。それが嫌い、苦手な方はここで読むのをやめていただければ幸いです。
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前述の通りセトリを通しての感想になるので、時系列があっちこっちに行きます。
まずは2日目のオープニングから。
2日目のOverture、飛鳥ちゃんの歴史が詰まったオープニング映像。
一期生最年少加入
選抜回数24回
参加曲楽曲数90曲
シングルセンター5回
その映像の途中、飛鳥ちゃんを象徴する文字列が流れてきた。
どうせお前ら
あしゅりん
いちごミルク
ドラム
どれも乃木坂を好きで飛鳥ちゃんを知ってるなら一度は耳にしたことのある単語だと思う。
その中に「諦念」の二文字があった。
これは2018年の雑誌のインタビューの中で、当時まだ加入して間もない久保、山下に向けてアドバイスはあるか?と聞かれた飛鳥ちゃんが答えた言葉だ。
「諦念の気持ちを持つことの大事さ、美しさを知ってほしい」
それを受けての2人のリアクションが
「.........。」
ピンとこない というよりも、意味が分からなかったんだろうなと思う。
僕も実際にインタビュー記事を読んで、なんか凄いこと言ってるなwくらいに思ってた。だけど強く印象にも残ってた。
「諦念の気持ちを持つ美学」は飛鳥ちゃんが中学生で乃木坂に加入して、活動していく中で身につけた価値観なのかもしれないなと、卒コンの少し前に飛鳥ちゃんの活動を振り返って考えていたから、この文字が目に入った時に息が止まった。
今回は、卒コンを振り返りながら、諦念の美学についても考えていきたいなと思います。
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2日目一番最後、全ての曲を歌い終え、乃木坂の齋藤飛鳥を全てそこに置いて天使ちゃんになって飛んでいく飛鳥ちゃんは、最後の最後にこんな言葉を残した。
「私は今日で卒業なので、明日からは恋とかもするかもしれませんね。お前らの誰かの嫁が飛鳥の嫁になるかもしれませんね。俺の嫁ですね」
僕はこれを聞いて凄く驚いた。飛鳥ちゃんが言いそうにない言葉だったからとか、今まで恋愛について触れてこなかったのに突然言ったからとか、それもあるけど、それだけじゃなくて。
僕は飛鳥ちゃんは凄くプロ意識の高い子だと思う。現場の重みを理解している人だと思う。強いプライドを持って仕事をしてる人だと思う。そんな子が、自分の卒業の一番最後の大舞台で例え冗談でも嘘はつかないし、つけないと思う。
だから飛鳥ちゃんの言葉は僕には「私は今日まで恋をしてきませんでしたよ」に聞こえた。飛鳥ちゃんはあの場所で恋愛をしてこなかった証明をしたんだと思った。そこに驚いた。凄い子だなと思った。
今まで沢山のアイドルの卒業を見てきたけど、あんなに堂々と公の場所で「恋愛してこなかった」と言った子は覚えてない。し、それを言えるアイドルはほんとにごくわずかだとも思う。勿論在籍中に恋愛してなかったとしても、加入前に恋愛をしていた子も沢山いる。だけど中学生で乃木坂に入った飛鳥ちゃんはきっとそれもない。
この言葉を残せるのはとんでもないことだと思うし、飛鳥ちゃんのアイドルとしてこの日まで生きてきたという誇りを物凄く感じた。
勿論リップサービスだと捉える人も多いと思う。ただ僕にはそう聞こえた。
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セトリの話に戻ります。
初日は一曲目から
『ここにはないもの』
『ありがちな恋愛』
『制服のマネキン』
2日目は
『ジコチューで行こう』
『インフルエンサー』
『シンクロニシティ』
そして二日間ともそのあとに全体での
『ハウス!』
『ダンケシェーン』
と続いていく。
飛鳥ちゃんは本が好きな人だ。
これは僕の考えだけど、本は「冒頭」と「最後」がとても重要だ。
冒頭と最後が良く出来ていればいるほど、面白いと思うし強く印象に残る。
始まりの3曲には飛鳥ちゃんの強い思い入れが隠れているんじゃないかな、僕はそう思った。
その上で考えた時に、
初日は「自分の為に選んだ曲」
2日目は「これからの乃木坂の為に選んだ曲」
なのかもしれないなと思った。
自分自身がセンターのジコチューで行こうはドラムを叩きながらの披露。
インフルエンサー、シンクロニシティは自分がセンターではない曲。
センターレスの曲にすることで、これからの乃木坂に歌い継いでいってほしい意味もあるのかもなと思った。
そして生演奏での披露。
生演奏でのインフル、シンクロはレコ大受賞を思い出す。
あの場所にはまだいなかったメンバーも同じ経験を与えることで、飛鳥ちゃんがあの日のあの場所に乃木坂を連れて来たようにも見えた。
そして一日目。
花道を歩き、センターステージで深くお辞儀。流れ始めるイントロ。
誰が見ても、あの日の橋本奈々未を思い出させる演出。
斎藤飛鳥の乃木坂人生を振り返った時に、橋本奈々未の卒業はとても大きいと思う。その翌日からは三期生が加わっての初めてのライブ披露。あの時期は飛鳥ちゃんにとって転換期でもあったと言えるかもしれない。
そのななみんの卒コンと同じ演出。そこにどんな意味を込めたのかは分からない。無粋な想像をするしかない。ただ、それは見てる人へのパフォーマンスと言うよりも、自分の為だったんだろうなと僕は思った。
ここにはないものは自身の卒業曲。乃木坂から卒業して、新しい(ここにはない)世界へ旅立つ曲。
ありがちな恋愛は男女の別れを書いた失恋曲。だけど僕はこの曲の歌詞は卒業するメンバーと残されたメンバーの曲でもあると思ってる。
「愛(乃木坂)よりも大切な夢(卒業)を見つけたのなら 現実(卒業後)はいつだって 退屈(寂しい)なものだ」
飛鳥ちゃんもこの曲の歌詞について「メンバー同士に置き換えても当てはまる気もして」と言っている。
だからこの時のありがちな恋愛は、乃木坂のメンバーとの別れを意味しているように見えた。
自身の卒業、メンバーとの別れ。そして制服のマネキン。
最初見た時は一日目の三曲目ということもあって、セトリの流れもまだ分からない状態だったし、何か意味が込められてるとは思ってなかった。ただ初期の頃の曲を混ぜてきたなくらいにしか思わなかった。
だけど二日間見終わって、リピート配信を見てる時に違う感情が生まれた。
「感情を隠したら制服を着たマネキンだ」
制服のマネキンが発売されたのは2012年。この時飛鳥ちゃんは14歳。
発売当時の飛鳥ちゃんにこの歌詞は深く刺さっていたのかもしれないなと思う。
スキャンダルとまではいかないが、この曲が出た少しあと、飛鳥ちゃんが共演者とLINEをしていて、その画面が流出した事件が起きてる。
それを受けて飛鳥ちゃんはブログでこんなことを書いてる。
「人間とは難しい!信頼を得ることも誤解を解くことも、たくさん時間が必要です。私たちは青いのだ。もちろん若いという意味もあるけど、青いのです!」
僕はこの頃の乃木坂を知らないし、この騒動がどれほどのものだったのかも知らない。
だけど、共演していた人と友人としてグループラインに参加していて、その画像が出回った。中学生の少女にはそれだけでも大きなトラウマだと思う。そこに恋愛感情がなかったとしても、ネット上にはあることないことが憶測で飛び交い、自身の目にも耳にも入ってくる。それもとんでもない恐怖だと思う。
今の乃木坂とは違い、まだ小さく、人気があるとは言えないグループの、選抜常連でもない立場。自分自身の未来も見えない。そんな状態の少女が攻撃を受けた時の精神は計り知れない。
もしかしたらこの時に、飛鳥ちゃんは自分が置かれている環境の怖さを改めて考えたのかもしれないなと思う。
飛鳥ちゃんはあまり自分のパーソナルを見せない。メンバーにも家の場所すら教えない。どんな単純な質問も「普通ですよ」「みんなと同じですよ」とはぐらかす。
もしこの時のトラウマが多少なりとも影響してるとするなら、それはとても業が深いと思う。
「感情を隠したら制服を着たマネキンだ」
読んでくれてる方には少しずつ、僕が考えてる飛鳥ちゃんの諦念の美学が伝わってくれてると思う。
ここにはないものは自身の卒業
ありがちな恋愛はメンバーとの別れ
そして制服のマネキンで、マネキンからの脱却を歌ったのかなと
2日間通してみてからのリピート配信を見ながらこう考えていたので、僕は制服のマネキンで泣いてしまった。
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諦念の気持ちを持つことは何も恋愛に限った話じゃない。
11年と8か月
それは途方もない年月だ。飛鳥ちゃんはそれだけの年数を乃木坂に奉げてきた。
自分が過ごした11年と8か月を想像してみてほしい。しかも14歳からの一番遊びたい時期を。その期間何をして過ごしてきたか、何をして遊んで、何を食べて、どれだけ夜更かしして。どんな誘惑に負けて、欲に負けて生きて来たか。その中からもしアイドルだったら出来ないことを考えてほしい。
飛鳥ちゃんはその全てをやらずに過ごしてきた。
毎日のスキンケアを怠らず、夜更かしも、食べたい物を我慢した時もあったと思う。
数日間じゃない。11年と8か月。
それは凄いことだし、凄い子だなと改めて思う。
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卒コンに戻りますw
初日の一番最初の楽曲が『ここにはないもの』
2日目が『ジコチューで行こう』
そして、卒コンの本編一番最後が『ここにはないもの』
アンコール一番最後に歌ったのが『ジコチューで行こう』
繰り返し言うけど、飛鳥ちゃんは本が好きな子だ。
これも僕の考えだけど、冒頭の話が伏線となってエンディングに繋がる本も面白い。
僕はさっき初日を「自分の為に選んだ曲」2日目を「これからの乃木坂の為に選んだ曲」だと言った。
もしこれが伏線になってるなら、これと対比して
本編最後のここにはないものは「これからの乃木坂の為に」
アンコール最後のジコチューは「自分の為に」歌ったのかもしれないと思った。
ここにはないものの中でも特徴的で代表的な振り付けが、「素敵なサヨナラを言える」でメンバーが飛鳥ちゃんの羽根になる振りだと思う。
だけど本編最後の方にはその振り付けがなかった。そこまで振り付け通りに踊っていたのに、その振りの直前から全員が横並びとなって歌うフォーメーションに変わった。
そこにどんな意図が隠れてるかは分からない。これも無粋な想像をするしかない。
ただ、最後の最後にあえてそうした。メンバーを自分が旅立つ為の羽根にしなかった。そこには残されたメンバーへの想いが隠れてると僕は思った。
そして一番最後。飛鳥ちゃんはジコチューで行こうを持ってきた。
僕は飛鳥ちゃんの代表曲はSing Outだと思っているし、飛鳥ちゃん自身もとても大切な楽曲だと思ってると思う。
だけど一番最後の曲にしなかった。
勿論色々な意味があると思う。単純に楽しく終わらせたかった。しんみりしたくなかった意味もあると思う。
だけどそれだけじゃないと思う。飛鳥ちゃんが集大成として作り上げたセットリストの、1番最後の曲。もっと深い意味が込められてると僕は思った。
飛鳥ちゃんは今まで、真夏と絢音ちゃん以外のほぼ全ての同期と2期生、そして大切に気にかけてた後輩の桃子の卒業を見送ってきた。
思春期の飛鳥ちゃんにとって乃木坂は大きな拠り所だったと思う。メンバーの存在を支えに出来たからこそ、制服のマネキンになれてた側面もあると思う。
だけどそんな拠り所である大切なメンバーがどんどんと卒業していく。
生駒ちゃんの卒コンでの飛鳥ちゃんがかけた言葉、桃子の卒業の時にかけた言葉からも分かるように、飛鳥ちゃんは本音を言えばまだ一緒にいたい。卒業してほしくない想いが根底にはある子だと思う。
だけど飛鳥ちゃんがメンバーの卒業についてモバメやブログで何かを言ってるのを見たことがない。
卒業だけじゃない。乃木坂を一番近くで見てきた飛鳥ちゃんは、もしかしたら世間に出回ってるスキャンダルよりも多くの表には出せないメンバーの行動も見てきているかもしれない。
卒業にしても、恋愛にしても、きっと思うことは沢山あったと思う。だけど全部飲み込んで、他のメンバーが「やりたいことをやる」のをずっと見守って、見届けて、見送ってきた。
何があっても、アイドル齋藤飛鳥を全うしてきた。
それは多分僕らが思ってるよりもとんでもないことで、飛鳥ちゃんはそこに大きな誇りを持ってると思う。
アイドル齋藤飛鳥をやりきった。その矜持を、一番最後の歌詞に乗せて最後の舞台に置いてきたのかなと思った。
「やりたいことをやれ ジコチューで行こう」
ここには単純で簡単な意味だけじゃない。11年と8か月の想いが込められてるんだと思った。
だからこそ、最後の最後に「私は今まで恋をしてきませんでしたよ」と証明する言葉を残した、それはある意味では残したかったのかもしれないなとも思った。
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支えにしていたメンバーが卒業していく。思春期の飛鳥ちゃんにとってそれは時に受け入れがたい感情もあったかもしれないと思う。
だけどきっとその飛鳥ちゃんを支えてくれたのが今の乃木坂のメンバー。
ななみんの卒コンの次の日から共に活動を始めた三期生、きっと沢山救われてきたんだろうなと思う。だから飛鳥ちゃんは三期生推しなのかもしれないなと思う。
飛鳥ちゃんは誰よりも後輩に感謝して、後輩の未来を応援してるのかもしれないなと思う。
そして、飛鳥ちゃんが乃木坂で過ごす中で培った価値観、「諦念の美学」
それはとても大切なものだと思う。だけど手放しにそれを良いものだとは僕は言えない。ファンは彼女達の人生をエンターテイメントとして楽しんでる。そこには残酷な一面もあることを理解しなければいけないと思う。
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最後に。これは全部僕が齋藤飛鳥を通して勝手に見て勝手に作った物語です。
ここに書いてきた全てを合ってると主張する気は全くないし、この考えを押し付けるつもりも一切ない。そんな意味も込めてこれも飛鳥ちゃんが卒コンで選んだ曲の歌詞の一部をここに書いておきたいと思います。
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そんな深読みをするなんて無駄だ
何も考えていないし
知ったような口振りされちゃ
もう舌を噛んで死にたくなるわ
そんな複雑な女じゃない
先入観勝手に持つなよ
だから隅っこで目立たないように
他人事みたいな外野がいい
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飛鳥ちゃん卒業おめでとうございます。
読んで下さってありがとうございました。