diary

“Quem deseja ver o arco-íris, precisa aprender a gostar da chuva.” @pyi46

下水蓋の縁の穴

 

会社の駐車場の下水蓋の縁、地盤が弱かったのか、穴が空いていたんです。

足の裏の半分程、踏んだとしても落ちるよう大きさではないんですが、それでもそこは避けて歩くようにしていました。

この前、腰の重い会社がようやく業者に頼んだようで、補修されて穴が塞がれていました。

下水蓋周りだけ、種類の違うコンクリートに囲まれて、色も硬さも違う。

踏んだら落ちるかもしれないと言う心理的要素は払拭されました。

だけど、なんとなくその近くを歩く時は、その新しく塗られたコンクリートを踏まないように歩いています。これが今までの習性から来てるものなのか、植え付けられた心理的要素から来てるものなのか、それは分かりません。

 

これって、人生に似てるなって思いました。

 

生きていると、取り返しのつかない失敗や、取り返しのつかない失態をしてしまう事があります。

気をつけていても、長い人生の中のほんの一瞬だけ油断した時に、取り返しのつかない失敗をしてしまう。そしてその一瞬が、一生その人について回ります。

本来は違っていても、その一瞬の失敗が、その人の人間性だと思われる。これがイメージです。

 

アイドルも、たった1回振りを間違えただけで振りを間違える子だと思われたり、たった1回言葉選びを間違えただけで、態度が悪い子だと思われてしまうことがあると思います。たった1回だけなのに、それがその子の全てだと。

 

そして、その後の人生でその穴を埋めていくことは出来るけど、消すことは出来ない。

塞がれた穴のように、修復は出来るけど、完璧に無かったことには出来ない。

 

その塞がれた穴を見た時に、そこを踏まないように歩くか、気にしないで歩くか、むしろ強固になったと安心して歩くか、それは受け手の選択です。

時々、埋めたことを誇らしいことだと勘違いをして、「埋めたんだから歩けや」と避けて通る人を怒る人もますが、それは間違ってると僕は思います。

穴をあけてしまった人は、そこを塞ぐことは出来るけど、塞がれた穴を見た人がそれをどう感じるのか、そこまでを強要することは出来ません。それは仕方の無いことです。穴をあけた自分に責任があるのだから。

人は過去を忘れがちです。特に自分の過ちを。嫌な記憶はなるべく忘れるようにしたいから。だけど周りは意外と覚えてます。その過ちを。当人が綺麗に塞いで無かったことにしたつもりでいても、それは間違いです。周りから見たら、そこだけはっきりと違う色で塗られています。

それを忘れないようにしたいなと思います。

 

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そして、自分が受け手側に立った時にも間違えてはいけないことがあると思います。

 

例えば1冊の本があったとして、あるページが破れてしまっている。そこをセロハンテープで繋げあわせて問題なく読めるようにした。それを読むかどうかは読み手の自由です。

読めれば問題ないとそのまま読む人も、そんな本は読みたくないと新しい本を読む人もいると思います。

 

過去の失敗を見た時、知った時に、その人をどんな目で見るかは自由です。

だけど、本質だけは間違えてはいけないなと思います。

 

読んでいた本が、或いは読もうとしていた本が、途中でページが破れてセロハンテープで補修されていることに気がついた。

その時に、その本を「読まない」選択肢をするのは自由だけど、決してその本が「読めない」訳ではない。そこを間違えてはいけない。

これがとても大切なことだと思います。

 

その人は今はその失敗を埋めるために努力をしているかもしれない。破れてしまったページをなんとか読めるようにしているかもしれない。

読む読まないの選択は自由ですが、その行為全てを否定する権限は誰にもありません。

 

 

人は本質を間違えがちです。

過ちがあった時に、どこに目を向けるのか。

その人を責めるのか、その人の過去を責めるのか。

それとも、それを踏まえた現在を見て判断するのか。

 

僕は、読める本はどれだけボロボロでも読んでいきたいと思っています。

何度も何度もセロハンテープで補修して、見た目も不格好だし読みにくくなっていても、それが読めると判断出来る間は、簡単には捨てたくないです。

 

そんな人間でいたいなと思います。

 

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過去の過ちは消すことは出来ないが、補修することは出来る

補修された過ちを、消えたものと勘違いしない

そして、本質を忘れない

 

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誕生日なので1年の抱負を書きました。

 

もう何一つめでたい歳ではありませんが、誕生日ありがとうございました。

ここまで読んでくださった方、今年もよろしくお願いします。